坂村教授の考えと自分自身の考え(GPLと組み込み)

【Internet Conferenceレポート】坂村氏「積極的なインターネットコミュニティとの交流を目指す」

> 組み込み機器の世界では、リソースを節約するためにシステム全体を1コンパイルして
> スタティックリンクするのが普通だが、そういった世界で『OSとリンクする部分を公開』
> (筆者注:おそらくはGPLではなくLGPLを指しているものと思われる)と言われると全てを
> 公開しなくてはいけなくなる」と述べた。

最近はRAMにせよフラッシュにせよメモリが安くなってきているのでリソースの節約なんて
と思う方もおられるかもしれないが、組み込み機器の中でも携帯やPDAをはじめとする
モバイルの分野ではHDDをのせるようなことはないし、メモリにしてもコストダウンを
図るためにはできるだけ少なく済ませたいものである。
だから、坂村教授の話にある「リソースを節約する」ということが出てくる。
GPLにおける自前の開発部分を非公開にするための対策としては、GPLのコードと自前のコード
を分離できるようにソフトを開発すればよいのであるが、フットプリントやRAMの消費量を
考えると難しいものがある。
だから、組み込みの分野にはGPLLGPLも)はそぐわないよ、ということを坂村教授は言いたいのかな?
まぁ、GPLは組み込み分野には適しませんよ、くらいに受け取っておこう。

私の考えとしては、組み込みLinuxもMTDやcramfsなどの技術の開発でリソースの節約に
対する対応は進んでいると思う。
GPLに関しても、GPLを意識してソフト開発を行う面倒さにたいして、GPLのコードを流用できる
手軽さや開発コストの軽減、開発期間の短縮といった利点を天秤にかけるしかないと思う。
実際には、それでも組み込みLinuxを採用する企業が増えつづけていることが答えではないか
と思うのだけれど。

組み込み分野で一大勢力のITRONに対して、新興勢力の組み込みLinuxがどこまで伸びるか。
あなたの会社ではどちらを選びますか?
それとも、他の商用のリアルタイムOSを選びますか?

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